お城通信第3号 | 小田原市民会館にて総会が開催
【お城通信vol.3】小田原市民会館にて総会が開催
総会には、多くの方々がお集まりいただき、活発な意見交換も行え、本NPOに勢いをつけていただけたものと会員の皆様へ感謝申し上げます。天守木造へ向けて課題は明らかになっており、それらをどのようにコツコツと解決していくか、地道な活動が求められております。反面、華々しい成果が解りやすくお見せできないので、NPO活動の評価を得られにくいという面もあるようです。会員拡大がまだまだスローペースであることも、その表れかと思っております。従いまして、次年度は、この「お城通信」も、もっと頻繁に発して、様々な進捗状況やトピックスをお伝えすることにも努めます。
天守閣の8ヶ月に及ぶ耐震工事が始まります。この耐震工事は、近い将来の再築までの最小限の耐震対策でありますので、再築は、そう遠くない時期に必要となります。私たちNPOから要望した「木造化可能性検証」の公式組織が市の中で動くことになり、早ければ1年ほどで、木造が可能であるかどうかの検証結果が得られると期待しております。
木造が可能であるという結論を明確に得られれば、これまでとは比べものにならない市民の関心の盛り上がりと協力が得られると考えます。最後にお願いですが、そこに至るまでは追い風が吹かない状態でしょう。その中でも多くの方々からのNPOへの物心両面での協力によって財政的にも安定を得させていただくことが必須です。何卒よろしくお願いいたします。
哲学者・内山節と考える「小田原城“新普請”」を終えて

NPO法人フォレストフリーク(以下FF)代表の緒方秀行氏から内山節氏を迎えて小田原で講演会を開きたいので企画をたてて欲しいと依頼がありました。 FFは箱根九頭龍の森や、あつぎつつじの丘公園、厚木市愛名緑地等の森林再生プランを作成し長 期的に再生に取り組んでいる団体です。小田原の方には、なじみの少ない名前でしょう。手入れ不足に陥っていた森林の再生をこれまで現場で培った技術と知識を礎に、森林再生を加速させようとしています。彼らの活動に共感していろいろお手伝いしてきました。
FFの理事である内山節を呼ぶのであれば、みんなでお城をつくる会や小田原市も交えて、「小田原城“新普請”」をテーマに話し合ってみたいと思ったことが今回の企画発案のきっかけです。トークバトルは45分という限られた時間でしたので深い所までバトルできませんでしたが皆様から興味深いお話が聞けたと思います。小田原市内に限らず、さまざまなイベントや場所、市民団体の会合等で「小田原城“新普請”」を話し合い興味を持っていただくことが大切だと感じています。(FM小田原株式会社放送局長 鈴木伸幸)
小田原城“新普請“の役割~森林と木材生産の今後
去る4月25日、「ハルネ広場」にて「哲学者・内山節と考える小田原城 新普請」というトークセッションと、内山節氏の講演会が開催された。以下その講演をリポートします。
ドラスティックな「開国」を発端として、維新という過去からの脈絡を断ち切った、新たな価値体系の構築を目指したところに明治の近代化はあった。その結果、多くの風習や伝統技術が近代化=西洋化の流れの中で途絶え、切り捨てられることにもなった。例えば日本の色(色彩)ひとつにしても同様であった。日本の自然のいたるところに散らばっている色彩の、ひとつひとつに名前を付け古代より長い時間をかけて「日本の色」は整理され、伝えられてきた。それ故、色彩はその土地の自然の豊かさを示し、その国の精神風土の根幹を成してきたともいえる(因みに日本の場合その色数は、千百余色とされている)。微妙に異なる色彩は、「色名」という言葉を手掛かりとして記憶され、伝達することができる。しかし、明治以降の色名はスタンダードな簡略化が進み、子供たちは最初に手にするクレヨンのような顔料で色を認識していく。それはとりも 直さず、ヒト(日本人)と自然との関係が変わり、やがて従来の自然観の遺失と変貌を意味することになる。
内山氏は伝統的な木造建築の低迷も、近代化以降のこうした動きの中にあるとの視点から語られていた。鉄筋コンクリートの不自然なお城を、ただ、木造で造り変えるということに留まらず、その運動を通じてこの時代の「人と自然との関係」「人と人との関係」を、もう一度結び直すきっかけにしていただきたいとの思いが語られた。(NPOみんなでお城をつくる会理事鈴木 義二)
4月18日(土)江戸城とその諸門をめぐるツアー
田代道彌先生のお話を聞いて

歴史と文化財をめぐるツアー「江戸城とその緒門をめぐる」「江戸に行った小田原を訪ねる」など、数回ご一緒させていただき、博覧強記の“水先案内人”というのが第一印象でした。また時には、時代考証の大切さを教授するために、そして後継者を育成するために、若手を登用するなど、微笑ましい師弟愛が見られ、ツアーが一段と楽しくなったことを覚えています。ファイルを小脇に抱え、それでいて開くこともなく、江戸城大手門では、10万石以上の譜代大名が交代制で警備についていたなどと解説。また城内の石垣について、御影石は関西から、安山岩は関東、伊豆半島からなどと、淡々と説明する姿には、石垣、いや「城」に対する敬愛が感じられました。単なる城ブームではなく、城郭文化の維持に傾倒する若者の台頭を期待します。(認定NPO法人・江戸城天守を再建する会 理事 土屋繁)
初めて歴史と文化財をめぐるツアーに参加して

今回、初めてツアーに参加しました。現在大学生の私は、お城を目指しての旅行が長期休みの楽しみにしています。ただお恥ずかしながらお城好きを自称しながらも身近な江戸城には行ったことがありませんでした。当日はお天気に恵まれ、気持ちの良い日差しの下で先生の解説を聞きながら歩く。とにかく、歩く!先生はお城だけでなく植物にも詳しく、様々な方面からのお話を聞くことができました。他の参加者の方々と会話を楽しみながらのツアーだったので、とても充実した時間になりました。何度か江戸城の周辺を訪れたことはありましたが、石垣の外からでは見えなかった風景がこんなにもあるものなのか、と驚きました。新しい建物に囲まれながらも変わらない石垣、燃えてしまった天守閣…変わりゆく風景の中に、確かに感じられる江戸の存在。新たな「江戸」「東京」を発見出来た1日でした。(横浜在住 小野 菜摘子)
