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小田原城天守事始め ~木造天守への道~
第1回 はじめに
今回から数回にわけて、われらが誇る小田原城天守についての建築的な特徴を、少し専門的な話を交えながらご紹介していきたいと思います。 われわれが目標とする木造天守への実現に向けて、みなさんと一緒にそのおもしろさを共有できればと思っています。 書き手は、昨年11月に当NPOの内部機関として発足した小田原城天守調査研究室の宮本と申します。城郭建築については少しばかりカジっておりますが、その道のプロではありませんので、至らぬ点は逐次ご指摘戴ければ幸いです。
まずはおさらいから
小田原北条氏初代早雲(伊勢宗瑞)についての研究も進んでいるようですが、以下ではその辺りからの歴史的な変遷は飛ばします。というのも、その当時の天守の様子がわかる詳しい史料がないからです。 ですから、時代はグッと下りますが、比較的史料が豊富な江戸中期、宝永年間(18世紀初頭)に再建された“最後の木造天守”について、いろんな背景を探りながら話を進めたいと思います。
現在の天守は、昭和35年(1960)に鉄筋コンクリート造で再建された天守です。 復元設計を担当されたのは、戦災などで失われた各地の天守などを含め、日本近世建築史の調査研究や復元、保存などに尽力された建築史家の藤岡通夫博士です。
また、平成27年(2016)から翌28年(2017)にかけては耐震改修工事などが行われ、最上階には摩利支天像などを祀っていた空間が木造で復元されました。
次回は、学術的な天守の「型」についてお話したいと思います。小田原城天守は「○○型」なんですよね…。お楽しみに。
写真提供:小田原城天守閣
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